今回は質問回答回です
KiCadユーザーさんから頂きました質問の中から、機能の一つをピックアップしてご紹介したいと思います。
質問「KiCadのカラー設定が変更できません、どうすればいいでしょうか?」
KiCadについてWEB検索を行うと、実に色とりどりの編集画面のキャプチャ画像が表示されます。
公式サイトでも「各種エディターの色設定は自由に変更することができます」と言われていますが、この設定手順は少しだけ手間と注意が必要なものになっています。
ここからは順番をたどりながら、このカラー変更の手順を説明したいと思います。
管理画面からもカラーセットの変更ができるようになりました
まず一番最初に、KiCad起動直後の管理画面にある「設定」から、各エディターの項目「カラー」を選択します。
インストールした直後はKiCad標準のカラーセットしかインストールされていませんが、プラグイン&コンテンツマネージャーの「カラーテーマ」の項目から、さまざまなカラー設定をダウンロードして追加できます。
管理画面の設定項目には、シンボルエディターに回路図エディターとカラー設定を共有する項目があります。残念ながら現バージョンではフットプリントエディターとPCBエディターには共有を選択するメニューがありません、今後のソフトウェア修整に期待しましょう。
コンテンツマネージャーからダウンロードしたカラーテーマは設定画面から選択できるようになります。旧バージョンでは管理画面から個別のカラー変更や新規カラーテーマの作成などができたりできなかったりといった状態が続いていましたが、現バージョンでは管理画面、各エディターどこからでもカラーの個別設定が行えるようになりました。
個別にカラーリストの設定を行う
ここでは回路図エディターを開き、設定メニューからカラーの項目を選択してみましょう。
各項目ごとの色とプレビュー画面が表示されています。なお、プレビュー画面の回路はサンプル回路が表示されており、自分で設計している回路図は反映されませんので「設計が変わった?!」と驚かないで下さい。
デフォルト設定やコンテンツマネージャーからダウンロードしたカラーテーマの項目には「読み取り専用」の表記がされています。
この画面で個別に色設定を変更できるのはテーマ名「USER」か、ユーザーが新しく作成したカラーテーマのみになっています。読み取り専用のテーマを選択した場合でも色変更の操作だけはできますが、OKボタンを押しても変更は反映されませんので気を付けましょう。
ダウンロードしてきたカラーテーマの一部だけ変更したい
コンテンツマネージャーからダウンロードしたカラーテーマの、一部だけ変更した状態で使用したい、というケースも多いと思います。テーマ名「USER」のカラー設定を一個ずつ変更するのは骨が折れるし面倒だなあ、という方、その手間は簡単に省略できます。
回路図エディターのカラーテーマ「Solarizesd Dark」をベースに、ワイヤーだけもっと明るい黄色にしたい場合を例に順を追って解説します。
まずインストールされているカラーテーマを選択し、設定画面にカラーの情報とプレビューが表示されている状態にします。
次に、テーマの項目から一番下にある「新しいテーマ」を選択し、任意の名前を入力します。
名前を入力すると、ひとつ前に選択していたカラーテーマの情報が設定画面に読み込まれた状態で新しいテーマが作成されるので、変更したい項目の色サンプルをクリックして目的のカラーに変更、変更が終わったらOKボタンを押して設定を反映させます。
以上の手順で、エディター内の画面色設定を自由に変更できるようになります。
カラーテーマは各エディター専用になるので管理に注意
フットプリントエディター、PCBエディターの設定メニューからも同様の手順でカラー設定や変更を行えます。
最初に述べたように、シンボルエディターと回路図エディターは同じカラーテーマを自動的に割り当てるよう設定できるため、あまり気になりませんが、フットプリントエディターとPCBエディターはそれぞれ個別に設定する必要があります。
特にオリジナルのカラーテーマを作成した場合などは、反映のし忘れなどがないように注意しましょう。
また、現時点のバージョンで注意して欲しいこととして「カラーテーマを新規作成した場合、基本的に各エディターごとの専用ファイルになる」点と、専用ファイルでありながら、現在のバージョンではどのエディターで開いたカラー設定画面からでも全てのカラーリストを閲覧できてしまう点を挙げておきます。
オリジナルのカラーテーマを作成した場合は、どのエディター用かをテーマ名に記載するようにしておくことで、混乱を予防することお勧めします。
ソフトウェアの表示カラー設定は使用者やその環境によっては重要な設定項目になり得ます。KiCadはフリーウェアということもあり少々手順や項目に不自然なところが残っていたりもしますが、今回のようなステップを守り、より使いやすい環境にカスタマイズしてさまざまな回路設計に挑戦して頂ければと思います。
大変有り難い情報掲げて頂きありがとうございます。
お役に立てたようで嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。