プリント基板(PCB)設計を進める上で、回路図が完成したら次に必要になるのが「部品表(BOM)」の作成です。
BOM(Bill Of Materials)は、その回路において使用する電子部品を一覧化したリストで、PCB製造はもちろん、手作りで回路を組み立てる際にも必須の資料です。
本記事では、KiCadの回路図エディターで部品表(BOM)を作成する手順とポイントを解説します。
部品表(BOM)とは?
BOM(Bill Of Materials)は、設計に使ったすべての部品の情報や、場合によっては使用したEDAの情報なども含めてリストにまとめたデータのことを呼びます。
部品の種類、型番、数量、メーカー情報などを明記することで、部品の購入や在庫管理、製造指示に活用することが可能となり、プリント基板製作がスムーズに行えます。

BOMを生成する手順(KiCad 回路図エディター)
① BOM生成メニューを開く
回路図エディターで回路図を描き終えたら、以下の手順でBOMを生成します。
- メニューから
[ツール] → [部品表の生成…] をクリック

- もしくは、画面右側のアイコンから直接実行も可能です。

ダイアログが表示されたら、BOM生成のための設定画面に移ります。
KiCad Ver.8のBOMエクスポート機能の特徴
KiCad Ver.8以降では、BOM出力のUIが大幅に整理され、2つのタブで構成される形式になっています。
【編集】タブ
ここでは、BOMに含める情報の選択と並び替えができます。
- 各シンボルのプロパティ(部品名、型番、値など)
- 表示・非表示をチェックで簡単に設定
- 必要な情報に漏れがないか事前に確認しておきましょう

【エクスポート】タブ
ここでは、ファイル出力の設定とプレビュー確認を行います。
- 出力フォーマットの選択(CSV または TSV)
- 区切り文字の設定(カンマ/タブ)
- 出力ファイル名と保存先の指定
- プレビューで内容確認後、【エクスポート】ボタンをクリック
※旧バージョンでは外部プラグインが必要でしたが、Ver.8ではプラグイン不要の標準機能として完結しています。

出力された部品表の活用方法
エクスポートされたBOMファイル(CSV または TSV形式)は、以下のように活用可能です。
- ExcelやGoogleスプレッドシートで開いて加工
- 必要な情報の並び替えや編集
- 部品注文リストとして使用
- 製造業者への資料提出
必要に応じて、メーカー名・型番・在庫コードなどのカラムを追加しておくと便利です。
まとめ:BOMの整備は設計の品質につながる!
- BOM(部品表)は製造にも組み立てにも不可欠な資料
- KiCad Ver.8では簡単にGUIから出力可能
- 出力内容の確認・編集を忘れずに!
部品の記録をしっかり残しておくことで、再設計や部品変更時のトラブルも回避できます。
ぜひ設計の一環として、BOM作成を習慣化しておきましょう!
コメントを残す