PCBエディターでプリント基板の設計を始めよう
回路図の設計が終わったら、次はプリント基板(PCB)の設計に進みましょう。KiCadのPCBエディターを使うことで、回路図に基づいた基板レイアウトの設計が可能になります。

本記事では、KiCadのPCBエディターの基本操作とインターフェースの使い方、基本操作について解説します。
PCBエディターの起動方法
回路図が完成したら、KiCadのプロジェクトウィンドウに戻って、次のいずれかの方法でPCBエディターを起動します:
- プロジェクトウィンドウの「PCBエディター」ボタンをクリック

- 回路図エディターの上部ツールバーにある切り替えアイコンをクリック

PCBエディターの基本操作
PCBエディターは、基本的な操作感が回路図エディターとほぼ共通しています。以下の操作は共通です:
- パン操作:マウスの中ボタンまたは右ボタンをドラッグ
- ズームイン/アウト:スクロールホイールまたは
F1
キー
中央の編集画面では、実際のプリント基板レイアウト(パターンや部品配置)を行います。
インターフェースの構成
■ 左側のツールバー:表示切り替えとレイヤー制御
- トラック、ビア、パッド、ゾーンなど、PCBを構成する各種要素の表示・非表示を切り替え
- 表示・非表示の切り替えは編集中のアクティブなレイヤーが基準になるので一部注意が必要

■ 右側のツールバー:各種編集ツール
- 基板編集に使う配置ツール、配線ツール、寸法ツールなどが配置

- 一部のボタンにある右下の小さな三角形は、関連ツールが展開できるパレットの印です
▼ 複数ツールの選択方法
- ボタンを長押ししてパレットを開き、目的のツールをクリック
- またはボタンをクリックしたまま左にドラッグし、ハイライトされたツール上で離す

外観パネルとフィルターメニューの使い方
■ 外観パネル(Appearance)
- レイヤーやネットの表示状態、色、不透明度などを設定
- 作業中のレイヤーを変更したいときは、ここで目的のレイヤーを選択します

■ フィルター(Filter)
- PCB上のオブジェクト(パッド、テキスト、ラインなど)の選択可否を切り替え
- 混雑した基板設計時の誤選択防止に非常に便利

いよいよ部品配置(アートワーク)へ
これらの機能を活用することで、回路図の情報を基に基板上へ部品を配置する設計作業、いわゆる「アートワーク」を始めることができます。
アートワークの段階では、以下のポイントに注意しましょう:
- 部品間の距離や向きに気を配る
- 放熱や信号線の干渉を考慮する
- レイヤーの使い分けを意識する
まとめ
- KiCadのPCBエディターは回路図エディターと共通の操作感
- 各種ツールや表示設定を使いこなすことで効率よく設計作業が可能
- 次のステップは、部品の配置とパターン配線
基板設計は最初こそ複雑に感じるかもしれませんが、操作に慣れるととても楽しい工程です!
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