アートワーク作業をしよう
KiCadでプリント基板(PCB)の設計を進めるには、回路図エディターで回路設計を終えた後、そのデータをPCBエディターに読み込む必要があります。
本記事では、回路図からPCBエディターへのデータインポートの手順と、アートワーク作業の進め方について解説します。

回路図作成とフットプリントの割り当てが完了したら
回路図エディターでの作業が完了し、すべてのシンボルに対して、対応するフットプリントの割り当ても済んだら、いよいよPCBエディターで基板の設計に着手できます。

この設計作業は広義の意味で「アートワーク」や「パターン設計」と呼ばれています。
PCBエディターを開くと?
KiCadのプロジェクト内でPCBエディターを開くと、最初は中央に図面枠が表示されたレイアウト画面が出てきますが、コンポーネントはまだ配置されていません。基板外形や配線、部品配置といった設計作業は、ここから始まります。

回路図データの情報を読み込む前に、まずは他の記事で紹介した「ボードのセットアップ」を済ませておきましょう。
回路図の情報をインポートする手順
次に、回路図エディターで作成したデータをPCBエディターへインポートします。手順は以下の通りです。
- メニューから
「ツール」 → 「回路図からPCBを更新…」 を選択
または、ツールバーの専用アイコンをクリック - 「回路図からPCBを更新」ウィンドウが開きます
- 内容を確認し、右下の 「基板を更新」 ボタンをクリック
- コンポーネントの情報がPCBに追加されます
- 作業後は、ウィンドウ右下の 「閉じる」 をクリックしてウィンドウを閉じましょう
この操作で、回路図上に配置された部品が基板上に反映されます。


「回路図から基板を更新」ウィンドウでエラーが出たら、中央のメッセージをよく確認してから回路図エディターに戻ってエラーの原因を解決して行きましょう。

インポート直後の状態とレイアウトの開始
インポート直後、フットプリントは一つにまとまった状態で読み込まれます。このままだと作業の邪魔になるため、まずは編集画面内の邪魔にならない場所へ一時的に移動させて仮置きしておきましょう。

その後は、一つずつフットプリントを操作して部品を配置していきます。ここから本格的なアートワーク作業のスタートです。
回路図の変更は自動では反映されない
現時点のKiCadでは、回路図エディターで行った変更が自動でPCBに反映されません。手動で「回路図からPCBを更新」ツールを使って反映させる必要があります。
おすすめの運用方法としては、
- 回路図に部品の追加・変更を加えたタイミングで
- 回路図ファイルを保存した直後に
- 「回路図からPCBを更新」ツールで反映し
- PCBエディターのファイルも保存する
という一連の作業を習慣づけることです。
まとめ
PCB設計の第一歩として、回路図のデータをPCBエディターに正しくインポートすることは非常に重要です。KiCadの手動更新の特性を理解し、適切なタイミングで反映作業を行うことで、トラブルを避けながらスムーズな設計を進めましょう。
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