回路図が完成したら、次はアノテーション、シンボルプロパティの設定、そしてフットプリントの割り当て作業を行います。これらはPCB設計に進むために必須のステップになります。
アノテーションとは?|リファレンス番号を割り振ろう
回路図に配置された各シンボルには、固有のリファレンス番号(例:R1、C2、U3など)を割り当てる必要があります。
この作業を「アノテーション」と呼びます。

KiCadでのアノテーションの設定
- KiCadのデフォルトでは、シンボルを回路図に配置した時点でリファレンス番号が自動的に付与されます。
- この自動アノテーションは、編集画面左側のアイコンで有効/無効を切り替えられます。

自動割り当てをオフにして、自分でリファレンス番号を振りたい場合は、このアイコンをOFFにしましょう。
シンボルプロパティの編集|コンポーネント情報を設定する
配置したシンボルには、コンポーネントの情報(値や型番など)を入力しておくことで、PCBの設計や製造の工程が効率良く進められます。
例:LEDシンボルに値を設定する

- LEDのシンボルを右クリック。
- サブメニューから【プロパティ】を選択。
- 表示される「Value」フィールドに、例えば「red」と入力。


これで、赤色LEDであることが回路図上でもわかるようになります。
さらに、プロジェクトによっては、型番や詳細な仕様をここに記載しておくとより実践的です!
✏️ シンボルプロパティでは、他にもさまざまなパラメータが編集可能です。必要に応じて調整しましょう。
フットプリントを割り当てる|PCB設計への準備
最後に、各コンポーネントにフットプリント(実装用パターン)を割り当てます。
フットプリントとは、PCB上で部品がどのように取り付けられるかを定義する情報です。
フットプリント割り当てツールの使い方

- 上部ツールバーの【フットプリント割り当て】ボタンをクリック。
- 「フットプリント割り当てツール」ウィンドウが開きます。

このウィンドウには以下の構成があります:
エリア | 内容 |
---|---|
左 | 利用可能なフットプリントライブラリ |
中央 | 回路図に配置したシンボル一覧 |
右 | 選択中のシンボルに適したフットプリント候補 |
フットプリントを割り当てる手順
- 中央リストからシンボルを選択。
- 左のライブラリから適切なものを選ぶ。
- 右のフットプリント候補からダブルクリックで割り当て。
プレビュー機能も利用可能で、フットプリントを選択して右クリック→【選択したフットプリントを表示】で形状を確認できます。

さらに、ウィンドウ左上のアイコンをONにすれば、常時プレビュー表示も可能です。
フィルター機能を活用しよう
KiCad標準状態でも非常に多くのフットプリントがあるため、フィルター機能を使うと選定が楽になります!

フィルター | 内容 | 推奨設定 |
---|---|---|
左端ボタン | 各シンボル専用のフィルター切り替え | OFF推奨(制限が厳しい場合あり) |
中央ボタン | ピン数でフィルタリング | ON推奨(例:8ピン→8パッドのみ表示) |
右端ボタン | 選択中ライブラリのみ表示 | 使い分け推奨(特定ライブラリが決まっている時に便利) |
テキスト検索 | キーワードでフットプリント検索 | 必要に応じて使用 |
フィルターを適切に使うことで、目的のフットプリントを素早く見つけられます!
中央のリストに表示されているシンボル全てにフットプリントを割り当てし、最後に【OK】ボタンをクリックすれば、フットプリント割り当て作業は完了です!
その他のフットプリント割り当て方法
各シンボルを右クリックし、【プロパティ】から個別にフットプリントを設定することも可能です。

一括で管理したい場合は「フットプリント割り当てツール」を、個別に微調整したい場合はプロパティ編集を使い分けましょう。
まとめ
- アノテーションでリファレンス番号を確定!
- シンボルプロパティで値や型番を設定!
- フットプリントを適切に割り当ててPCB設計へ!
これで回路設計から基板設計への準備が整いました。
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